フィリピン夜のラジオのVOKUです。今回は、多くのフィリピン渡航者が一度は肝を冷やすであろう「マニラ空港」の攻略法についてです。かつて3年連続で、そして現在もなお「世界ワースト1位」の不名誉な称号を維持し続けるこの空港。どうすればトラブルに巻き込まれず、無事に目的地までたどり着けるのか。私の経験とリサーチに基づいた実践的なサバイバル術をお伝えします。

なぜワースト1位?マニラ空港の深刻な問題点

攻略法を知る前に、まず敵を知る必要があります。マニラ空港がワースト1位であり続ける理由は、一つではありません。

  • 慢性的混雑と容量オーバー: 設計上のキャパシティを大幅に超える乗客を捌いており、常に破綻寸前の状態です。
  • 頻発する遅延とトラブル: システムトラブルが多発し、特に繁忙期には4割以上のフライトが遅延。過去には大規模な停電で空港機能が6時間も停止したこともあります。
  • 施設の老朽化と不便さ: 施設は古く、構造も分かりにくい。清潔感も低く、快適な空間とは言えません。
  • 最悪の治安とセキュリティ: これが最も警戒すべき点です。過去には荷物に弾丸を仕込まれワイロを要求される事件(タニム・バラ)が頻発。現在も保安職員による窃盗や、税関での不当な金銭要求が後を絶ちません。

実際にあった不当請求の手口

最近、私の友人が被害に遭いました。正規の税金は7,000ペソ程度のはずが、「虚偽の申告だ」と因縁をつけられ、合計27,000ペソもの大金を請求されたのです。時間がなかったため、やむなく一部を支払ってしまいましたが、これは典型的な詐欺の手口です。

空港職員とのトラブル回避術

では、こうした理不尽な要求にどう対処すれば良いのでしょうか。重要なのは心構えです。

まず、絶対に戦ってはいけません。感情的になれば相手の思う壺。さらに状況が悪化するだけです。イラっとするのは当然ですが、冷静さを失ったら負けです。

怪しいと感じたら、すぐにスマートフォンで録音を開始しましょう。ただし、録音していることは絶対に相手に悟られてはいけません。そして、すぐにフィリピン人の知人や信頼できる人に電話をかけ、「ちょっと分からないから確認するね」と、相談している素振りを見せるのが非常に有効です。彼らも悪事がバレるのは困るので、第三者の介入を嫌がります。

ただし、大前提として自分に明らかな非がある場合は、交渉してある程度支払う覚悟も必要です。ダメージゼロで切り抜けようと固執するより、お互いの落としどころを見つけて時間を無駄にしない方が賢明な場合もあります。

空港を出てからが本番!タクシー地獄の抜け出し方

無事に空港の建物から出られても、安心はできません。次なる関門、「ぼったくりタクシー地獄」が待っています。

特に初見の旅行者は格好の餌食です。通常なら200ペソ程度の距離を、平気で1,000ペソ、ひどい時には3,000ペソも請求してきます。一見安全そうに見える黄色の空港タクシーも、メーター料金が異常に高く設定されていることが多いので油断は禁物です。

対策としては、乗る前に必ず料金交渉をすること。そして、そのやり取りも録音しておくのがベストです。もし、他に手段がなく、高額でも利用せざるを得ない場合は、トラブルを避けるために諦めて支払うしかない場面もあります。ここでも、絶対にドライバーと喧嘩をしてはいけません。我々外国人は、異国の地では弱い立場にあることを忘れないでください。

まとめ:マニラ空港サバイバルの心得

悪名高いマニラ空港を無事に攻略するための要点は以下の通りです。

  • 絶対に戦わない: 感情的にならず、常に冷静に対応する。笑顔を忘れないことが最強の武器になることも。
  • 現地のコネを頼る: トラブル時はすぐに相談できる現地の知人やKTV嬢を見つけておくことが最大の防御策。
  • 交渉と妥協: ダメージゼロにこだわらず、時には少額を払ってでも時間を買うという判断も重要。
  • 事前準備を徹底: タクシーに乗る前は必ず料金交渉。怪しいと思ったら即録音。
  • 心構え:「This is Philippines Style」と心の中で唱え、理不尽さを受け流す心の余裕を持つ。

一番重要なのは、信頼できる現地の知人を作っておくことです。彼らの存在が、あなたを多くのトラブルから守ってくれる盾となるでしょう。