みなさん、こんにちは!フィリピン夜のラジオのVOKUです。今日は、フィリピンを訪れる際に、あるいは滞在する上で「これだけは絶対にやってはいけない」と僕が考える3つのことについてお話しします。恥ずかしながら、実は僕自身、過去にこれら全てを経験してしまったことがあるのですが… だからこそ、これからフィリピンに行く皆さんには絶対に避けてほしい。見聞きしたり、時には目の当たりにしたりした経験も踏まえて、本当に危険だと感じるポイントをお伝えします。

1. 喧嘩は絶対NG!命に関わるリスクも

まず一つ目は、最も基本的なことかもしれませんが、「喧嘩」は絶対に避けるべきです。フィリピンに行ったことがある方ならご存存知かもしれませんが、フィリピン人は一般的に言って非常に短気です。もちろん私たち日本人にも短気な人はいますが、そのレベルが違うと感じることが多いです。

日本の喧嘩は、多くの場合、口論から始まりますよね?言い合いになって、エスカレートして…という流れが普通です。しかし、フィリピンでは違います。「ムカつく → 即パンチ」というパターンが驚くほど多い。胸ぐらを掴むといった前触れすらなく、いきなり「ポン!」と拳が飛んでくることがあるんです。これが、彼らにとっての「喧嘩開始」の合図のようなものなのです。

「いやいや、俺は腕っぷしには自信があるから大丈夫だ」と思う方もいるかもしれません。しかし、問題はその後です。たとえその場で相手を打ち負かしたとしても、相手が刃物を持って戻ってきたり、仲間を大勢連れてきたりする可能性があります。さらに怖いのは、その場で終わらないこと。一度ボコボコにした相手から、後日、思わぬ形で復讐されるケースも少なくありません。

フィリピン人は、恨みを非常に長く、深く記憶します。(これは決して彼らを侮辱する意味ではありませんが)一般的な記憶力はそれほど高くないと感じる場面があっても、こと「恨み」に関しては、何十年も忘れないほどの執念深さを見せることがあります。

仮に、ひ弱そうな若者2人組を叩きのめしたとしましょう。しかし、その後に彼らの親や兄貴分が銃や刃物を持って現れたらどうしますか?プロの格闘家でさえ、武器を持った相手と素手で渡り合うのは困難です。ましてや我々一般人が太刀打ちできるはずもありません。万が一勝てたとしても、その後、命を狙われ続ける可能性だってあるのです。

もちろん、体格差で勝てる相手もいるでしょう。しかし、勝った後のリスクが計り知れない。口喧嘩も同様です。大声でフィリピン人を罵倒したり、人前で恥をかかせたりする行為は、彼らのプライドを深く傷つけ、深刻なトラブルの引き金になります。どんな状況であれ、喧嘩だけは絶対に避けるべきです。

2. 深い恨みを買わないこと - 復讐のハードルが低い国

二つ目は、一つ目の「喧嘩」とも密接に関連しますが、「深い恨みを買わない」ことです。喧嘩以外にも、恨みを買う行為は様々です。例えば、フィリピンに慣れた「自称ベテラン」のような人がやりがちな、法外な値切り交渉をしたり、相手を馬鹿にするような態度を取ったりすること。こういった行為は、相手に強い恨みを抱かせる原因となります。

深い恨みを買うと、どうなるか。最悪の場合、ヒットマン(殺し屋)に依頼されたり、不意打ちで刃物で襲われたりする可能性もゼロではありません。もちろん、何も起こらないこともありますが、フィリピンでは「復讐」という選択肢が、日本よりもずっと身近にあると考えた方が良いでしょう。彼らは恨みを忘れません。

恨みを買うと、常に「あいつに何かしてやりたい」「あいつだけは絶対に許さない」と思われ続けることになります。ヒットマンや集団リンチといった極端なケースに至らなくても、FacebookなどのSNSで顔写真付きで晒し上げられることもあります。しかも、身に覚えのないような尾ひれまで付けられて、「最低最悪の日本人」として拡散され、変な形で有名人になってしまうことも…。もし相手に警察のコネクションでもあれば、不当に連行される可能性すらあります。

日本では「ムカつくな」と思っても、実際に相手に危害を加えるまでのハードルは非常に高いですよね。法的なリスクも社会的リスクも大きく、簡単には実行できません。しかし、フィリピンでは、この「復讐を実行する」ハードルが驚くほど低いのです。復讐代行のような「サービス」も、比較的安価で存在すると聞きます(もちろん、誰でも簡単に頼めるわけではありませんが)。「あいつのバイクを盗んでこい」とか「盗むついでに痛めつけてこい」といった依頼は、日本に比べれば遥かに現実的な脅威なのです。

深い恨みを買った結果、暴行を受けて怪我をさせられたり、大切な物を盗まれたりする。これは決して他人事ではなく、ちょっとしたトラブルから発展し得る現実です。恨みを買って得することは一つもありません。腹が立つことがあっても、ぐっと我慢するか、別の安全な方法で発散する(例えば、フィリピン人が見ないであろう日本のSNSで愚痴るなど)方が賢明です。

3. 歩きスマホは絶対にやめる - 常に狙われている意識を

三つ目は、現代人にとっては非常に身近な行為、「歩きスマホ」です。日本では、もはや当たり前の光景ですよね。道を歩きながらスマホを操作する。フィリピン人の中にも歩きスマホをしている人はたくさんいますが、私たち日本人がこれをやってはいけない理由はただ一つ、「盗まれるリスクが非常に高いから」です。

フィリピン人が持っているスマホは、比較的安価なモデルが多いですが、それでも日常的に盗難被害に遭っています。FacebookやInstagramのリール動画などでも、ひったくり(現地では「ユタン」と呼ばれることも)の瞬間などがよく投稿されていますよね。道路脇を歩いている時だけでなく、少し距離があっても後をつけられたり、一瞬の隙を狙われたりして、あっという間に奪われます。

特に外国人である私たちは、「高価なスマホを持っている」と思われがちです。歩きスマホをしている姿は、「あいつ、簡単に奪えそうだな」「いいスマホ持ってるじゃないか、iPhoneだ!」と、犯罪者の格好のターゲットとして認識されてしまいます。

その場で盗まれなかったとしても、一度目をつけられると、後日別の場所で狙われたり、執拗につけ回されたりする危険性があります。狙われるのはスマホだけではありません。「あいつ、金持ってそうだな」と思われれば、バッグや貴重品もターゲットになります。そして最悪のケースは、人気のない場所に連れ込まれたり、逆に人通りが多くても車が頻繁に通るような場所で、銃を突きつけられて「ホールドアップ」されることです。

誤解しないでほしいのですが、フィリピンは特定の場所だけが危険なのではありません。基本的に「どこも安全ではない」という意識が必要です。交通量の多い大通りであっても、白昼堂々、銃で脅されて金品を要求される事件は実際に頻発しています。

歩きスマホをして油断しているところを狙われ、ホールドアップされる。これが最悪のシナリオの一つです。ですから、フィリピンでは基本的に歩きスマホはしない。どうしても地図を見たいなど、使う必要がある場合は、壁際などに立ち止まり、周囲を警戒しながら「サッと見て、サッとしまう」。これが最も安全な使い方です。


まとめ:安全にフィリピンを楽しむために

以上、フィリピンで絶対にやってはいけないと僕が考える3つのことについて、実体験も交えてお話ししました。

  1. 喧嘩はしない: 短気で執念深い国民性を理解し、絶対に避ける。
  2. 深い恨みを買わない: 相手のプライドを傷つけず、復讐のリスクを回避する。
  3. 歩きスマホをしない: 常に狙われている意識を持ち、盗難や強盗のリスクを最小限にする。

これらのポイントをしっかりと守ることで、フィリピンでの滞在をより安全に、そして楽しく過ごすことができるはずです。恨みを買うような行動や、自ら危険な状況を作り出すような油断は禁物です。フィリピンは、人々が明るくフレンドリーで、たくさんの魅力を持つ素晴らしい国です。しかし、日本とは異なる文化や治安状況があることを理解し、適切なマナーと危機管理意識を持つことが、この国を満喫するための鍵となります。皆さんもフィリピンを訪れる際には、ぜひこれらの点を心に留めておいてくださいね。