フィリピン夜のラジオのVOKUです。今回のテーマは「KTV嬢たちはなぜいつもお金がないのか?」。フィリピンパブで働く彼女たちが、なぜいつも「お金がない、お金がない」と言っているのか、その背景にあるさまざまな理由を深掘りして解説していきます。彼女たちの経済事情や文化、そして心理状態に迫ることで、フィリピンという国やそこで働く女性たちの一端が見えてくるかもしれません。

理由1:驚くほどの計画性のなさ

KTV嬢たちが常にお金に困っている最大の理由の一つは、圧倒的な計画性の欠如です。これは多くのKTV嬢に共通して見られる傾向かもしれません。彼女たちは手元に入ったお金を、将来のことを考えずにほとんど使い切ってしまうことが多いのです。

例えば、月の生活費が2万ペソだとします。給料が3万ペソ入れば、普通なら1万ペソは貯蓄に回したり、余剰資金として管理するでしょう。しかし彼女たちは、「今月は3万ペソ入ったから、少し多めに使ってもいいかな」と考え、結局3万ペソぎりぎりまで使ってしまったり、時にはそれ以上使って以前のわずかな貯えに手を出してしまうことも。基本的に貯金という概念が希薄な場合が多いです。

日本人が「電気代がいくら、食費がいくらだから、今月はこれくらいで収まるだろう」と計画を立てるのに対し、彼女たちの多くは「その日暮らし」。食費について尋ねても「うーん、大体2万から3万ペソかな?」といった曖昧な答えが返ってくることがあります。この1万ペソの差は日本円で約2万円強。日本人なら「食費が大体10万円から15万円」と言っているようなもので、その感覚のズレが計画性のなさを物語っています。

理由2:SNS時代のプライドと見栄の張り合い

フィリピン人女性の多くはFacebookやTikTokなどのSNSを積極的に利用しています。そして、そこでは壮絶なマウントの取り合いが繰り広げられていることも少なくありません。「今日はこんな高級品を買った」「こんな素敵な場所に旅行に行った」といった投稿が溢れています。

日本人なら「また自慢か…」と冷ややかに見ることもあるかもしれませんが、KTV嬢たちの中には「私だって負けていられない!」と対抗心を燃やす人がいます。 「あの子がiPhoneを買ったなら、私も最新モデルを買わなきゃ」「あの子が香港に行ったなら、私もどこかへ行かなきゃ」と、他人と同じレベルに見られたい、あるいはそれ以上に見られたいというプライドから、身の丈に合わない消費をしてしまうのです。

時には、SNSに投稿するためだけに高価な物を買ったり、旅行に行ったりすることも。さらに深刻なケースでは、お客さんに「旅行に連れて行ってほしい」と頼み、体の関係を対価に旅行を実現し、その様子をSNSにアップする…なんてことも実際にあります。これらはすべて、彼女たちのプライドを満たし、他人より優位に立ちたいという欲求の表れなのです。

理由3:家族への送金という重荷

フィリピンの文化において、家族、特に地方にいる親や兄弟姉妹への送金は非常に重要な意味を持ちます。KTVで働く女性たちの多くは、家族からの送金の期待を一身に背負っています。これは日本人の感覚からすると理解しにくいかもしれませんが、フィリピンではごく一般的なことです。

しかし、この送金が彼女たちの経済状況を圧迫する大きな要因となっています。稼いだ給料の半分近く、あるいはそれ以上を送金することも珍しくありません。そして、送金してもなお「もっと送ってほしい」と要求されるケースも後を絶ちません。

VOKU個人の意見としては、この文化は時として「子供に金をたかる乞食」のようにも見え、子供たちが苦しい思いをする原因になっていると感じています。もちろん家族を助けること自体は尊い行為ですが、それが一方的な負担となり、彼女たちの自立を妨げている側面も否定できません。

理由4:「お金がないフリ」で客から援助を引き出す

中には、実際にはある程度お金を持っていても、お客さんに対して「お金がなくて困っている」フリをする KTV嬢もいます。これは、お客さんの同情心や庇護欲を巧みに利用し、金銭的な援助を引き出すための戦略です。

「本当に困っているんだ、助けてほしい」という彼女たちの言葉を信じ、「この2万ペソ、3万ペソがあれば、彼女を助けられるかもしれない」と考えるお客さんは少なくありません。そして、お金を渡した途端に連絡が取れなくなったり、「酔っ払って会えない」などとドタキャンされたりするケースも…。

これは一種の駆け引きであり、彼女たちからすれば「賢いやり方」なのかもしれません。お金を渡す側としては、そのリスクを理解した上で行動する必要があります。本当に援助したいのであれば、お金を渡す前に、その見返りや関係性を明確にしておくべきかもしれません。

理由5:「日本人と比べて」お金がないと言っているだけ

最後に、KTV嬢たちが「お金がない」と言うのは、比較対象が我々日本人客だから、という側面も大きいでしょう。アラブの富豪から見れば、私たち日本人も「お金がない」部類に入るかもしれません。それと同じことです。

一部には月に40万~50万ペソ(日本円で約100万~130万円以上)を稼ぐようなトップクラスのKTV嬢もいますが、これは本当にごく一部。多くのKTV嬢の月収は、一般的な日本人の月収と同程度か、それ以下です。

フィリピンの平均的な所得から見れば、彼女たちは十分に稼いでいる部類に入るかもしれません。しかし、より裕福な日本人客を前にすると、相対的に「お金がない」と感じ、またそう言うことで同情や援助を引き出しやすくなるという心理も働くのでしょう。彼女たちもそのことをよく理解しています。

まとめ:彼女たちの「お金がない」の裏側

KTV嬢たちが「お金がない」と言う背景には、計画性の欠如、見栄やプライド、家族への送金、客からの援助狙い、そして日本人との経済格差など、さまざまな要因が複雑に絡み合っています。

これらの理由を知ることで、彼女たちの言動の裏にある文化や心理を少しでも理解する手助けになれば幸いです。しかし、それはそれとして、彼女たちとの金銭的なやり取りには常に慎重さが求められることを忘れてはいけません。

フィリピンの夜の世界を楽しむ上でも、こうした知識はきっと役立つはずです。