フィリピン女性と離婚するときにかかる金額は「●●●万円」
「フィリピンでは離婚ができない」——よく耳にするこの一文は、半分本当で、半分は古い情報です。フィリピン夜のラジオのVOKUです。今回は誰もがどこかで聞いたことのあるこの噂を、トリビアの種感覚で徹底的に調べてきました。本当に離婚はできないのか、できるのなら何が必要で、いくらかかるのか。総額80〜130万円、期間1〜2年、結婚前の財産まで分け合う絶対的共有財産制度——軽い気持ちで結婚を決める前に、知っておくべき現実があります。
原則「離婚できない国」と、二つの例外
まず大前提として、フィリピンはカトリックの影響により離婚制度そのものを一般には認めていない国です。「結婚は解消できない神聖な契約」という宗教観が法律にまで及んでおり、これが「フィリピンは離婚できない」という噂の根拠になっています。ただし例外は存在します。一つはイスラム教徒同士の婚姻で、シャリーア法廷を通せば離婚手続きが可能。もう一つが外国人との結婚です。日本人配偶者が日本側で離婚を成立させ、フィリピンの裁判所でその効力を承認してもらえば婚姻関係を解消できる。実は2018年の最高裁判決で、フィリピン人が原告となるケースでも外国人配偶者の本国法で離婚が有効ならフィリピン側でも認められると判断されました。すでに数年前から道は開いているのですが、未だに「離婚できない」と古い情報のまま流通している場合が多いのです。
婚姻無効訴訟という、「最初から無かったことにする」制度
フィリピン人同士の場合は離婚という選択肢自体がないため、代わりに使われるのが「婚姻無効訴訟」。「最初から結婚していなかったことにする」という独特の裁判制度で、これが俗に「フィリピンの離婚は購入する」と語られるものの正体です。日本人と結婚したフィリピン人妻が将来再婚するためには、この承認手続きが絶対に欠かせません。日本側で離婚を成立させただけで放置してしまうと、妻はフィリピンの法律上ずっと既婚のままになり、再婚もできない。それは彼女にとって「人生を奪われる」のに等しいことです。別れると決めたなら、最後の責任としてここまで手続きしてあげるのが男としての筋だと、僕は思います。
必要な費用と所要期間
費用の話に移ります。日本側の協議離婚は役所への届け出だけなので無料ですが、問題はフィリピン側の婚姻無効訴訟。総費用は30〜50万ペソ、日本円にして80〜130万円が目安です。内訳としては精神鑑定書類の作成に5〜10万ペソ、弁護士手数料が20〜30万ペソ、裁判所への申し立て手数料や翻訳認証費用に数万ペソ。経済的弱者向けにはPAO(公選弁護人事務所)による無料・定額制度も用意されていますが、所得要件を満たさない通常の依頼では結局この相場に落ち着きます。さらに重いのが期間で、申し立てから完了まで1〜2年。精神鑑定や複数回の弁論が必要なケースでは2年を超えることも珍しくない。離婚を決めた時点ですでに関係は冷え切っているのに、そこから1〜2年も連絡を取り続けなければならないという事実が、何より精神的に堪えるのです。
財産分与の落とし穴と、親権・養育費
そして最も注意すべきが財産分与のルール。婚前契約がない場合、デフォルトで「絶対的共有財産制度」が適用されます。これは結婚前から各自が持っていた財産まで含めて、夫婦平等の資産として扱うという制度で、日本の感覚とはまったく異なる。当事者間で合意ができれば配分は柔軟に決められますが、もめてまとまらない場合は強制的に50対50。明らかに僕たち日本人側に不利な仕組みです。例外として、重婚や明確な不法行為が原因で婚姻無効に至った場合、悪意のあった側は分配請求権を失う規定もあります。親権については原則として7歳以下の子は母親優先、母親側に問題がない限り親権者は母親というのが通例で、ここは日本と似ています。養育費は月収の20〜30%が相場——フィリピンの物価から見るとやや高めですが、これも制度として動かしようがありません。
結論:離婚は可能、しかし「最後の責任」を逃げてはいけない
「フィリピンでは離婚できない」という噂は半分本当で、半分は古い情報です。手続きは存在するものの、それは多大な時間と費用、そして精神力を要する道のりであることも事実。
- 原則と例外:カトリック国ゆえ原則離婚不可、ただし外国人との結婚は2018年判決で道が開いている。
- 婚姻無効訴訟:フィリピン人妻側にとって再婚に必須の手続き。放置は彼女の人生を奪う。
- 費用と期間:総額80〜130万円、所要1〜2年。冷め切った相手と連絡を取り続ける精神負担が重い。
- 財産分与:結婚前財産まで共有対象。合意できなければ強制50対50。
- 親権・養育費:母親優先、月収の20〜30%が相場。
「お金を払うのが嫌だから放っておく」という選択は、相手の人生をそのまま壊す行為に等しい。別れると決めたのなら、最後まで責任を取りきる——それが男としての筋目です。